サブちゃんの本名
以前実家で柴犬を飼っていたが、バカ兄犬が貰ってきたものだった。
バカが大学へ行く直前の春休み、家族に何の相談も無く「俺を見ていた」というバカ丸出しの理由で友人宅から子犬を連れて来て、「ヨロシク~」と一人暮しのアパートへ旅立っていった。
血統書の名前は「○○(バカ兄の名前)号」
息子が家を離れたとたん、犬を飼って息子の名前で呼んでいるなんて、頭がおかしくなったとご近所に思われるという母の正しい判断のもと、別の名前をつけることにした。
母の付けた名前が玉三郎 (脱力)
父と私に、母に逆らう力は無い。
母はエサやりとブラッシングだけで、散歩に連れていくのは父か私だ。
バカの名前もイヤだが、玉三郎もイヤだ。
内股の犬になったらどうするんだ。
苦肉の策で、玉三郎を縮めて「サブ」と呼ぶことにした。
(タマでは猫になってしまうので。)
母は不満だったらしく、一人で「たまさぶろ~」と一生懸命呼んでいたのだが、子犬が「サブ」でしか反応しなくなったので、仕方なく皆サブと呼ぶようになった。
本人もイヤだったのだろう。
玉三郎の被害は、お役所に届け出た時と病院の窓口で失笑をかった程度ですんだ。
飼い主がサブと呼んでいるのに、「サブちゃんの本名は何ですか?」などと聞いてくる人はいない。
なんとかバレずにすんだ。
夏休み、バカが帰ってくる。
「いよ~っ、大きくなったなー玉三郎ぅぅぅ。(抱きついている)
ちゃんと散歩連れてってるかぁ?」
お前の犬だろ。

サブ、噛んでやりな。
