女王蜂-東宝映画
事件解決=昭和26年6月 53年前
映画公開=昭和53年2月 26年前
金田一 =38歳
石坂浩二=37歳
市川崑 =63歳
私にとって、こんなに評価の難しい作品はない。
<どうしたんだ市川崑>
この作品は言うまでもなく『女王蜂』である。
主人公は、彼女の美貌に群がる男達が次々と死んでいく 超美少女 大道寺智子である。
野々宮珠世も宮本音禰も皆「見たこともないような美女」だが、その中でも智子は”源頼朝の寵姫の末裔”という その辺のポッと出とは訳が違う由緒正しい美女なのである。
ストーリーに花を添えるために美女が出ているレベルではない。
智子が勝気の超絶美少女じゃないと女王蜂にならないじゃん。この話の要だ。
しかーし!
中井貴恵さんは綺麗な方だとは思いますが、女王蜂ではありません。新人という事で、演技も何ともハヤだし、あの中途半端な髪型も…
加えて、もう一人の重要人物 多門連太郎も軽すぎる扱い。
市川監督、原作では主人公コンビのこの2人に、全く力入れてません。
<さすがだ市川崑>
前三作 犬神家・悪魔の手毬歌・獄門島の犯人全員が出演しているという、本当に豪華な配役で、年配俳優さん達の豪華ぶりには、目を見張るものがある。
てゆうか、(原作では)主人公の若い2人以外は全員豪華?
有名だから豪華というのではなく、皆さん本当にいい演技されてる。
高峰三枝子さんの東小路隆子・岸恵子さんの神尾秀子は、犯人だった作品よりもしっくり合っている様に私は思う。特に、岸恵子さんは 私の中では青池リカではなく神尾秀子だ。
高峰さんの出演シーンは多くはないが、さすがは本当の華族のご出身。
お茶会で挨拶されるところなど、気品といい貫禄といい、演技以上のものだ。
三木のり平さんの提灯屋のオヤジ&草笛光子さんのちんどん屋カップルも、とてもいい!
しかし、脇のダントツは、加藤武さんの等々力警部だろう。
「よしっわかった!インタビュー」で警部のキャラクターは作品中でだんだん作られていったというような事をおっしゃっていたが、4作目にしてバッチリ固まった-ように見える。
市川金田一シリーズの映画で、女王蜂の等々力警部が私は一番好きだ。
<年のせい?>
化粧品会社とのタイアップのせいか、新人の中井貴恵さんを使わざるを得ず、力を入れられなかったのかもしれないが、視点が(つまり主人公が)大道寺智子・多門連太郎→神尾秀子・大道寺銀造になっている。
監督が63才の時の作品だが、20前後の若者のドラマよりも、40代熟年のドラマに心引かれたのだろうか。熟年俳優さん達の出演シーンは、ホント素晴らしいわ。
動機・背景好きの私としては、昔の事・周囲の人達がこんなに生き生きと表現されているのは大好きなのだが、いかんせん智子が。
これで智子が魅力的だったら、完璧ですね。
熟年層を中心にドラマを作ったとしても、女王蜂の智子は ピリっとスパイスが効くように女王蜂であって欲しかった。
残念!
☆☆☆
映画紹介
市川崑監督 1915年11月20日生まれ